ステラ薫子の王妃レッスン

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ロータス神話Vol.2 「再生・復活」の象徴だった古代エジプト<後編>

2016.3.11

前々回の『ロータス神話Vol.1 「再生の花」と讃えられていた古代エジプト<前編>』では、オリシスとイシスの愛の物語をお話ししました。今回はお待たせしておりますエジプト神話の後編ということで、おふたりの息子であるホルスのお話をしましょう。

前編にてホルスの父オリシスは、弟のセトによって殺されたことをお話ししましたね。
ホルスにとってセトは叔父さんであり、父の敵でもある存在。
やがて成長したホルスは、叔父セトと激しい後継人争いを繰り広げます。しかし、ある事件をきっかけに(長くなりますので、事件の詳細は省きます。)、ホルスはセトに両目を奪われてしまいます。その両目は地中に埋められてしまうのですが、なんとそこからロータスの花が咲いた、というエピソードもあるのです。

ロータス 思わぬところで、ロータスが登場しました。
でも、このホルスが太陽神(ラー)の一部が同化した者、と考えられていることを知ると納得できるお話かもしれません。

…というのも、エジプトに伝わる創世神話にはいろいろありますが、混沌とした世界にまばゆい光を照らしたのがロータス、という説もあります。とてつもなく大きなロータスが太陽を支えていた、という何とも神々しい話。ロータスは、太陽神の象徴でもあったのです。

さて、話をもとに戻しましょう。
父の敵であるセトとの長い戦いを経て、ホルスはついに勝利を手にします。そして、地上で初めてのファラオ(王様)の座に君臨し、太陽神となります。右目は復活できましたが、失ってしまった左目は「ウジャトの目」と呼ばれ、古代エジプトのシンボルとしてツタンカーメン王のミイラにも供えられています。

ロータス 以来、後に君臨するファラオたちは「ホルスの化身」と呼ばれ、妻である王妃をロータスに比喩していたとか。ロータスと交わることで、死しても太陽神となって復活できる、と強く信じてきました。
イシス神殿やカルナック神殿などの柱にロータスがモチーフとなっていますが、これらも“再生・復活”を願ってやまない王族たちの思いの表れなのでしょう。

また、エジプト神話には頭にロータスの花を咲かせている男性も描かれています。彼の名前は、ネフェルテム。薬剤師でもあった彼は、ロータスを守護花として大事にし、その実を薬として使っていたそうです。そんなネフェルテムは“花の化身”と呼ばれ、まぶしいほどの美少年だったといわれています。

彼の美貌の影響かどうか…そこは定かではありませんが、ロータスをモチーフにした護符は“若さ、みずみずしさ、清らかさ”を象徴し、多くの女性たちに大人気だったそうです。いつの時代でも美しさに憧れる乙女心は変わらない、ということだけは間違いないようです。

※古代エジプトで描かれているロータス。
正しくは睡蓮を表していますが、このブログでは蓮と睡蓮のふたつを総称してロータスと呼んでいます。

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