- ライフスタイルコラム|2022.03.09
お風呂を活用して自宅でデトックス!その効果と正しいやり方

よく聞く言葉ですが、本当にお風呂でデトックスはできるのでしょうか?
温かいお風呂に入ると、多くの人が思わず「はぁ」と声が漏れてしまうようなリラックス感を得られます。それは、お風呂による温熱効果、水圧効果、浮力効果によるものです。
でも、たかがお風呂と言うなかれ。お風呂といっても、温度や時間、入り方によって身体への作用は様々です。
ここではデトックスの基礎を学びながら、お風呂でできるデトックスについて解説します。
目次
- 1.デトックスの基本を学ぼう
- 1-1.そもそもデトックスって何?
- 1-2.デトックスで出す!体内に溜まる毒素とは?
- 1-3.身体に備わっているデトックスのメカニズム
- 2. お風呂でデトックスは有効的?
- 3. お風呂でデトックス効果を高めるやり方
- 3-1.あなたはどっち?汗には「いい汗」と「悪い汗」がある
- 3-2.お風呂でデトックスにおすすめの温度と時間
- 3-3.半身浴or全身浴、デトックスにはどちらがおすすめ?
- 3-4.お風呂でデトックス中の水分補給は何がいい?
- 3-5.さら湯よりも温浴効果を高めてくれる入浴剤を活用
- 3-6.お風呂でデトックスするときの注意点
- 4.お風呂×バスソルト×香りで心も身体もデトックス
- 5.まとめ
1.デトックスの基本を学ぼう

「汗をかいてデトックス」「デトックスに効果的な食品を食べよう」「デトックスで痩せ体質に」などといわれ、健康や美容に関心のある女性たちに根強い人気のデトックス。
世の中には様々なデトックスプログラムがありますが、まずはデトックスの基本を正しく知ることからはじめましょう。
1-1.そもそも デトックスって何?
デトックスは、英語の「detoxification」という言葉を短縮したもので直訳すると「解毒」や「浄化」。
私たちの身体は、日常生活で知らず知らずのうちに体内で毒素を溜め込みがちです。これらの毒素を身体から排出させることをデトックスと呼んでいます。また、最近の研究によると、排出するだけでなく、毒素をできるだけ取り入れないようにすることもデトックスのひとつになっているようです。
1-2.デトックスで出す!身体に溜まる毒素とは?
デトックスで体外に出す毒素で 一番わかりやすいのは、体内でいらなくなった老廃物です 。食事をすると体内で栄養を吸収しますが、その過程で身体にとって不要なものは尿や便によって排出されます。
また、鉛やカドミウム、ヒ素など身体にとって害を及ぼす金属、大気汚染や環境ホルモンによる化学物質などが体内に溜まると身体のコンディションを崩しやすくなり、健康を脅かす存在になります 。身体にとって不要なものはスムーズに排出することが大切です。
1-3.身体に備わっているデトックスのメカニズム
私たちの身体には、もともとデトックスする機能が備わっています。体内に必要なものといらないものを仕分けしているのが肝臓と腎臓です。特に肝臓は、炭水化物・タンパク質・脂肪の3大栄養素の代謝を担っています。
そして、いらない毒素は便や尿、汗、髪の毛、爪によって排出されます。その割合は以下です。
- 便…75%
- 尿…20%
- 汗…3%
- 髪の毛…1%
- 爪…1%
便秘になると肌が荒れる、吹き出物が出やすい、と比較的わかりやすい肌コンディションに出やすいのも、毒素の多くが便から排出されているからです。
2.お風呂でデトックスは有効的?

毒素を排出するほとんどが便と尿…そう聞くと、お風呂でのデトックスはあまり効果がないのでは?と思った人は多いと思います。
でも、焦りは禁物。お風呂にゆったり入ることで、デトックス効果をサポートしてくれる働きをここでチェックしておきましょう。
2-1.お風呂でデトックス、その嘘とホント
お風呂で「汗をかいてデトックス」。これは、先程お話したように、汗をたくさんかいたからといっても、汗から出る毒素はわずか3%。嘘とまでは言いませんが、デトックス効果と呼ぶには物足りなさがあります。
しかし、お風呂で全身を温めることで、血行を高めて身体のすみずみまでスムーズに血流に整えます。身体が冷えていると肝臓や腎臓の機能も低下しやすく、せっかく備わっている本来のデトックスパワーが発揮できません。
また、老廃物を運ぶリンパの流れを整えるためにも、お風呂は有効的です。サロンなどでリンパマッサージを行うと、トイレが近くなりませんか?これは、リンパ液の通り道を整えることで、毒素の排出をサポートしていることになるのです。
2-2.お風呂のデトックスで期待したいダイエット効果
お風呂で血行やリンパの流れを整えて全身の代謝を高めることは、基礎代謝量をサポートする効果が期待できます。なぜなら、脂肪は毒素と結びやすく、溜まった毒素によって脂肪が燃えにくくなってしまうのです。
お風呂でデトックスしやすい状態に整えると、脂肪を燃やすサイクルも少しずつ整ってくる、というメカニズムです。ただし、お風呂での消費カロリーは10~20キロカロリー程度なので、運動でのダイエットよりはゆっくりモード。コツコツ続けることが大切です。
お風呂のデトックスにリンパマッサージを加えることで、むくみのケアに繋がります。すっきりした印象に見せる効果も期待できます。
また、ダイエットを意識するなら食後よりも食事前がおすすめです 。お風呂によって胃腸の血管が収縮するため空腹感を感じなくなり、食欲を抑える効果もあります。
3.お風呂でデトックス効果を高めるには ?

では、効果的にお風呂でデトックスするためには、どうしたら良いのでしょう。
忘れてはいけないのは、バスタイムは1日の疲れを癒すリラックスタイムということ。無理や我慢がなく、自分のペースで行うことが長続きの秘訣です。
ここでは、気になるポイントごとに解説します。
3-1.あなたはどっち?汗には「いい汗」と「悪い汗」がある
汗には、いい汗と悪い汗があります。現代の生活はエアコンの影響で、汗をかかない生活が増えて汗腺が鈍りがちです。お風呂でデトックスをはじめたものの、なかなか汗が出ない、という人は多いかもしれません。
いい汗は、塩分が1%未満で水のようにサラサラしていてニオイがありません。対して悪い汗は塩分が多くべたべたしていて、菌も繁殖しやすいためニオイやすいもの。体内の塩分が出やすいので、熱中症のリスクも高くなってしまいます。
「汗がなかなか出ない」「べたつく汗が不快」という人は、お風呂で汗腺トレーニングをすることから始めましょう。額にじんわり汗をかくことでも良しとして、汗をかくことを意識しながら少しずついい汗をかけるようになりましょう。
3-2.お風呂でデトックスにおすすめの温度と時間
41度以上の熱いお湯は身体を短い時間で温めますが、血圧や心臓への負荷がかかってしまいます。38~40度くらいのお風呂で15~20分程度、じっくり温めることで汗もじんわり出てきて、気持ちもリラックス気分になるでしょう 。
冬はお風呂の温度が下がりやすいので、追いだき機能や足し湯などで調節しながら、体温を奪われないようにしてください。
また、熱いお湯は肌のうるおい成分が流れ出てしまうため、乾燥しやすくなります。長時間の入浴も乾燥の原因になるので、注意しましょう。
3-3.お風呂でデトックスにおすすめの温度と時間
41度以上の熱いお湯は身体を短い時間で温めますが、血圧や心臓への負荷がかかってしまいます。38~40度くらいのお風呂で15~20分程度、じっくり温めることで汗もじんわり出てきて、気持ちもリラックス気分になるでしょう 。
冬はお風呂の温度が下がりやすいので、追いだき機能や足し湯などで調節しながら、体温を奪われないようにしてください。
また、熱いお湯は肌のうるおい成分が流れ出てしまうため、乾燥しやすくなります。長時間の入浴も乾燥の原因になるので、注意しましょう。
3-4.お風呂でデトックス中の水分補給は何がいい?
少しでもデトックス効果を高めたい…そんな思いから、デトックスウォーターなど特別な飲み物を求めたくなりますが、お水やミネラルが豊富な麦茶で十分です。
お風呂は思っている以上に水分不足になりがち。お風呂に入る前からしっかり水分補給をすると汗も出やすくなります。1回で一気に飲むよりも、ペットボトルなどをお風呂に持ち込んで、こまめに水分を摂っていきましょう。
また、お風呂上りにビールなど冷たい飲み物をゴクゴク飲むと、せっかくお風呂で温まった身体が急激に冷えてしまうのでできるだけ避けたいところです。
3-5.さら湯よりも温浴効果を高めてくれる入浴剤を活用
何も入れていないさら湯の一番風呂で、肌がピリピリしたことはありませんか?
一般的な水道水はミネラルが少なく、塩素が含まれています。そのため、さら湯はピリピリした刺激を感じることがあります。そんな刺激を緩和させたいときや、肌が弱い方には入浴剤の出番です。
入浴剤に含まれる成分によって、血行を高めてくれるタイプや肌の乾燥を予防するタイプ、香りでリラックスできるものなど温浴効果やスキンケア効果を発揮してくれます。
3-6.お風呂でデトックスするときの注意点
意外に多いのが、食後にお風呂というパターン。空腹時の入浴は食欲を抑える、ということは先に述べましたが、逆に満腹の場合は食べ物の消化のために胃腸に集中するはずの血流がお風呂で全身に血流が巡るため、胃腸の働きを鈍らせてしまいます。食後は最低でも1時間くらい空けるようにしましょう。
また、「暇だから…」とスマホやタブレットをチェックしながらお風呂に入る人も多そうです。でも、心身のリラクゼーションを妨げてしまうため、デジタル機器などの持ち込みはおすすめしません。
そして、湯船の温度は気にしてもバスルーム全体の温度を気にしない人は多いものです。特にバスルームが寒くなりやすい冬は、ヒートショックのリスクも高まるため、高齢者のいる家庭では浴室暖房などを取り入れて温度差を少なくすることを視野に入れましょう。
4.お風呂×バスソルト×香りで心も身体もデトックス

お風呂でデトックスしながら、疲れや身体のコリからも解放。心も身体もリラックスできるアイテムとしておすすめなのが、お風呂×塩×香りの組み合わせです。
バスソルトやエッセンシャルオイルなどの香りにはどんな効果があるのでしょうか。
4-1.美肌効果も期待できる塩とデトックスの関係
入浴剤のなかでも、「汗がすごい」「身体の芯から温まる」と人気なのがバスソルト。天然の塩に含まれたミネラルの働きでスキンケア効果が高く、肌のタンパク質と結びついて保温性に優れていることも知られています。
また、ミネラルのなかでもマグネシウムは、お豆腐をつくるときに欠かせないにがりに含まれている成分です。このマグネシウムは汚れを落とす働きがあり、古い角質や毛穴の汚れも穏やかにオフ。天然の塩が、肌にとっていらないものを除去するという、これもひとつのデトックス効果といえそうです。
いにしえのときから、お清めやお祓いなど神事の場面でも使われてきた塩がもつ浄化パワーを日々のバスタイムに取り入れて、1点の曇りもないつるつる&すべすべの肌を目指しましょう。
4-2.溜まるのは毒素だけじゃない、お風呂で心のゴミもデトックス
人間関係や仕事のこと、家庭のことなどの悩みに加えて、あらゆる情報に囲まれている現代のライフスタイルは、心の痛みやストレスを感じやすい状態。でも、自分では気付きにくいからこそ、つい溜めがちに…。そんな「心のゴミ」をデトックスできるのもバスタイムです。
お風呂のデトックスでおすすめしている38~40度のお風呂は、副交感神経を優位にするのでリラックスした状態に導いてくれます。イライラしたり、神経が昂って交感神経が優位になりがちな状態をリセットし、疲れ切った心を癒してくれます。
心の健康を保つためにも、お風呂でゆっくり過ごして、心のゴミを捨てる習慣を取り入れてみてください。ホットタオルで目元を覆うと、パソコンやスマホで酷使した目の疲れにも効果的です。
4-3.香りをプラスして心身ともにリラックス気分
ストレスフルな毎日を過ごすうえで取り入れたいのが、エッセンシャルオイル(精油)などの香りアイテムです。香りは脳にダイレクトにアプローチして、感情や神経、ホルモン、記憶など揺れ動く変化をサポートする存在です。
かつて古代の先人たちが、花や植物、果実、樹脂などの香りに癒され、生活の知恵として取り入れていたアロマは、時を超えて現代でも深く根付いています。香りをプラスすることで、思わず目を閉じて深い呼吸をしたくなるような、穏やかで優しい空間を演出してくれます。
ただし、香りの効果を得るためには天然100%の香料を選ぶことが大切です。合成の香料では、脳への刺激がほとんどないどころか、近年問題になっている「香害」に発展することも少なくありません。バスソルトに数滴垂らしたり、キャリアオイルで希釈したアロマをお風呂に入れて、よりリラックスしながらお風呂でデトックスをしてみてください。
5.まとめ
いつものお風呂を少し意識し 、お気に入りのアイテムをプラスすることで自分だけの至福の空間に変身します 。そのうえ、デトックス効果もサポートして、日々のいらないものをリセットしてこれからは“溜めない人”へ。
ただし、何事もやり過ぎは禁物です。極端なデトックスは体調を崩す原因にもなりかねません。焦らず無理なく、自分が続けられそうなことを選んでいきましょう。